Meta Ray-Banが法廷に持ち込めなくなった。AIスマートグラス、ついに「禁止場所」が増え始めた
フィラデルフィア裁判所がAI内蔵スマートグラスを全面禁止。ハワイ、ウィスコンシン、ノースカロライナに続く措置。700万台売れたMeta Ray-Banが「持ち込み禁止ガジェット」になる日が来た。その背景と日本への影響を解説。

Meta Ray-Banが「法廷に持ち込んではいけないもの」になった。
ペンシルベニア州フィラデルフィアの裁判所(第一司法管区)が今週、AI統合スマートグラスを含む全てのスマート眼鏡を庁舎・法廷・関連施設から全面禁止すると発表した。この禁止令は今週月曜日から施行される。
禁止の理由は「見えない録画」
裁判所広報のマーティン・オルーク氏によれば、禁止の主な理由は「見た目で判別できないから」だ。通常の眼鏡とほぼ同じ外見で動画・音声の録画ができるスマートグラスは、証人や陪審員への脅迫・威圧行為に使われる恐れがある。
スマートフォンやノートPCは引き続き持ち込み可能だが、電源オフ・収納が義務付けられる。一方、スマートグラスは建物への入場自体が禁止される。違反した場合は入場拒否・退場命令に加え、法廷侮辱罪として逮捕・起訴される可能性もある。例外的な持ち込みには裁判官または裁判所幹部の事前書面許可が必要だ。
フィラデルフィアだけじゃない
フィラデルフィアはスマートグラス禁止の「先駆け」ではない。ハワイ、ウィスコンシン、ノースカロライナの各州裁判所がすでに同様の明示的禁止令を施行している。多くの裁判所は従来から「録画機器」全般を禁じてきたが、スマートグラスを名指しで禁止するケースはまだ少数派だ。
きっかけのひとつは、今年3月のMeta・Googleに対するSNS有害性訴訟だ。ロサンゼルスでの裁判にMetaのマーク・ザッカーバーグCEOと社員たちが同社のスマートグラスをかけて出廷。担当判事から「外すよう」命じられ、録画に使った者には法廷侮辱罪を適用すると警告された。
700万台売れた製品が「禁止ガジェット」に
2025年、Ray-BanとOakleyがMeta AIを統合したスマートグラスを各500ドル以下で販売。Bloombergの報道によると2025年に合計700万台を販売した。スーパーボウルのCMにも起用されるなど、ようやく一般市場に根付き始めた矢先の規制だ。
Appleは2027年に独自のスマートグラス市場参入を計画している。今後、競合製品が続々登場すれば「スマートグラス禁止場所」のリストはさらに長くなる可能性が高い。学校、議会、法廷、公共施設——「外してください」と言われる場所が増えていく未来が見えてきた。
日本への影響
日本では現在、スマートグラスの普及はまだ限定的だが、Meta Ray-Banは日本でも発売されており認知度は高まっている。今後、国内の裁判所や議会、公共交通機関などが同様の禁止措置を取る可能性がある。
「使える場所」と「使えない場所」の線引きが明確になるにつれて、スマートグラスの購入を検討している人は「自分のライフスタイルで本当に使えるのか」を考える必要が出てくる。ガジェットの進化と社会ルールの整備が、今まさに交差点を迎えている。
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