AutoMedia/テクノロジー・デスク
テクノロジー・デスクに戻る
テクノロジー・デスクテクノロジー

「AIのせい」でBlock社員4,000人が首になった。でも本当の理由はビットコイン暴落じゃないか

Block CEO Jack DorseyがAI自動化を理由に社員4,000人を解雇。しかしビットコイン暴落と株安が背景にあるとの見方も。AI起因リストラの本質と、残された6,000人が直面する現実を読む。

AutoMedia Desk
2026/03/29 03:53
4分
更新 2026/03/29 03:56
「AIのせい」でBlock社員4,000人が首になった。でも本当の理由はビットコイン暴落じゃないか

何が起きたか

2026年2月26日、決済企業BlockのCEO・Jack Dorseyが突然発表した。「AI自動化のため、全社員10,000人のうち4,000人を解雇する」と。

S&P500史上、最大規模のAI起因リストラと言われる今回の決断。Dorseyは株主への書簡でこう書いた。「AIツールと小規模チームの組み合わせが、会社の構築と運営の意味を根本から変えた。私たちはすでにそれを実感している」。

さらに「今後1年以内に、ほとんどの企業が同じ結論に達し、同様の構造変化を起こすと思う」とまで言い切った。

数字で見る衝撃

  • 解雇規模:4,000人(全社員の約40%)
  • 解雇後の残員:約6,000人
  • 発表直後のBlock株:+20%急騰
  • それ以前の株価:10月のピークから-35%下落
  • Blockのビットコイン保有:約8,500BTC
  • ビットコインの年初来下落:約25%

「AIのせい」は本当か?

ここが問題だ。

Guardianの分析によれば、DorseyがAIを理由に挙げた裏には、ビットコイン市場の低迷と株価下落という別の現実がある。

BlockはSquareから2021年にBlockに社名変更するほど、暗号資産に全振りしてきた企業。ビットコイン製品の粗利益の10%をBTC購入に充てると2024年に発表したほどだ。ところが年初からBTCは25%近く値を下げ、株式市場でのBlockの評価も低迷が続いていた。

解雇発表直後に株価が20%ポップしたことが、すべてを物語っている。投資家たちは「AIのせい」という説明ではなく、コスト削減そのものに反応したのだ。

「AIを言い訳に使う経営者」増加中

これはBlockだけの話じゃない。

  • Salesforceはカスタマーサポート4,000人削減を「AI処理が30〜50%を担う」と説明
  • Amazonは昨年10月と今年1月、合計30,000人のレイオフを実施
  • MicrosoftのAI責任者Mustafa Suleiman:「ホワイトカラーは18ヶ月以内に大規模雇用喪失に直面する」

一方、Harvard大学の研究(2026年2月発表)は「AIツールは仕事を減らすどころか、むしろ仕事を増やす」という真逆の結論を出している。200人規模のテック企業の調査で、「AIツールは一貫して仕事を集約・激化させた」と。

Blockの残った6,000人が次に感じるのは「解放感」ではなく「過密」かもしれない。

これが本当に示すもの

AmazonもSalesforceも、「AI」を大義名分にしたリストラで市場から複雑な評価を受けた。Goldman Sachsの2025年11月の分析では、「リストラを発表した企業は市場に劣後する」という結果が出ている。

Dorseyのやり方は大胆だ。でもBlockの残り6,000人は今、「AIで小さく強くなる」という宣言の証明を求められている。それができなければ、「AIを言い訳にしたコスト削減」という評価が定着する。

どちらに転ぶかは、これから半年が答えを出す。

この記事が役に立ったら共有してください

Premiumプレミアム限定
関連記事