週50万回乗車のWaymoが動けなくなると、警察が片付ける。「消防士はAAAじゃない」——ロボタクシーの不都合な現実
Waymoが週50万回ライドを達成する一方、ロボタクシーが動けなくなった際に警察や消防など公的機関が対応せざるを得ない問題が浮上。大量銃撃事件対応中の警官がWaymoを移動させるために迂回させられた事例も。「消防士はAAAになるべきじゃない」とサンフランシスコ市議。

Waymoが週50万回というライドマイルストーンを達成した。それ自体は素晴らしい数字だ。しかし、同時に露わになってきた問題がある——ロボタクシーが止まったとき、誰が片付けるのか。
週50万回、急増するWaymo
Waymoは現在、週50万回の有料ロボタクシーライドを提供している。1年前の週10万回から5倍に増えた計算だ。サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックス、オースティンへの展開が進み、数字だけ見れば「自動運転タクシーは普及フェーズに入った」と言ってもいい。
だが成長には影が伴う。
ロボタクシーが止まったとき、誰が動かすのか
TechCrunchが独自に確認したところ、Waymoのロボタクシーが路上で動けなくなる——いわゆる「立ち往生」——ケースが増えている。Waymoは専用のロードサイドアシスタンスチームを持っているが、対応が間に合わないケースもある。
より深刻なのは、少なくとも6件の事例で警察や消防が現場に駆け付けてWaymoを手動で移動させていることが確認されたことだ。
そのうち1件は、2026年3月にオースティンで起きた大量銃撃事件の現場近くで、対応中の警察官がWaymoを退かすために呼び戻されるという事態が発生した。緊急対応の最中に、ロボタクシーの後始末のために時間が割かれた。
「消防士はAAAになるべきじゃない」
サンフランシスコ市議のアラン・ウォン氏は先日の公聴会でこう述べた。
「うちの同僚の多くが同意している。我々の消防士や警察官が民間企業のロードサービス代わりになるべきではない」
Waymoの立場からすれば、「自動車全般が緊急対応の妨げになることはある。ロボタクシーに限った話ではない」という反論も成立する。しかし問題はスケールだ。週50万回が100万回、200万回になれば、公的リソースへの依存は比例して増える。そのコストは税金で賄われる。
30%遅いという不都合な数字
もう一つ、Uberに近い関係者から出てきた数字がある。WaymoはUberとパートナーシップを結んでいるが、そのインサイダーによれば「WaymoはUberの人間ドライバーに比べて、目的地に到着するまで最大30%長くかかる」という。
理由は安全マージン。不保護左折(対向車や歩行者への注意が必要な左折)を避けようとする傾向があり、遠回りになるケースが多い。
Waymoはこれを公式には否定していないが、ライド時間の延長は乗客の満足度やWaymo自身の経済効率にも影響する。
テスラも参入、ロボタクシー競争が本格化
Waymoだけではない。2026年中に米国で有料ロボタクシーサービスを展開しようとしているのは、Zoox、Motional、そしてテスラだ。テスラはすでにオースティンでサービスを開始しており、イーロン・マスクは大規模展開に強い意欲を持っている。
各社が独自のシステムを持つ中で、「立ち往生したときのプロトコル」についての業界標準はまだ存在しない。誰が対応するのか、コストは誰が負担するのか——それが問われないまま、ロボタクシーは街を走り続けている。
数字は確かに伸びている。だがその陰で、公的インフラを無償で使う構造が出来上がりつつある。週50万回が1000万回になる前に、議論すべきことがある。
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