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中国が「ロボット訓練農場」を40カ所以上に拡大。年間600万件のデータで人型ロボットを鍛えている

中国が国家戦略として「身体性AI」に全力投球。全国40カ所以上のロボット訓練施設で年間600万件のデータを生成し、2026年だけで5万台超の人型ロボットが出荷される見通し。

AutoMedia Desk
2026/03/29 00:30
3分
更新 2026/03/29 00:30
中国が「ロボット訓練農場」を40カ所以上に拡大。年間600万件のデータで人型ロボットを鍛えている

中国が、人型ロボット産業で世界を引き離しにかかっている。

全国40カ所以上に設置された「ロボット訓練農場」では、卒業したばかりの若者たちがヒューマノイドロボットに日常動作を教え込む作業を行っている。1日あたり最大5万件の高品質データを生成し、年間では600万件超。このデータが、中国製ロボットの知能を急速に底上げしている。

工場の現場はすでに変わり始めている

安徽省合肥市の工場では、身長166cmの人型ロボット「霊枢(Lingshu)」が半導体ウエハーの配置作業を行っている。誤差0.数ミリメートルが許されない超精密作業だ。開発元のYouibotによると、1台で人間8〜12人分の作業効率を実現し、24時間稼働が可能だという。

EVメーカーNioのスマート製造工場でも身体性AI技術が導入され、生産効率30%向上、人件費25%削減、不良率40%減少という具体的な成果が出ている。UBTechのWalker S2は中国南部の工場に配備済みで、2026年に1,000台以上を出荷する計画だ。

数字が物語るスケール

IDCのデータによると、2025年の産業用エンボディドAIロボットの世界出荷台数は1.8万台。2026年は5万台を超える見通しで、そのうち中国が45%以上を占める。国務院発展研究センターは、国内エンボディドAI市場が2030年に4,000億元(約7.7兆円)、2035年に1兆元を超えると予測している。

Unitree Roboticsは2026年に2万台の人型ロボット出荷を目指し、UBTechは産業用に1万台を計画。合わせて200社以上のOEMが参入し、56%が北京・上海・深圳に集中している。

業界標準も整備が加速

3月27日には、中国初の「エンボディドAI業界標準」が発表された。中国情報通信研究院と40以上の機関が共同起草したもので、統一的なベンチマークとテストフレームワークを定めている。6月1日に施行予定だ。

2026年政府活動報告でも身体性AI、量子技術、脳コンピューターインターフェース、6Gとともに「未来産業」への投資拡大が明記された。国家戦略としての本気度がうかがえる。

課題は残る

北京人工知能研究院の林永華チーフエンジニアは、人型ロボットの安定した高品質制御、精巧な操作能力の向上、電源と排熱の制約克服が依然として課題だと指摘する。グローバル競争も激化しており、テスラのOptimusなど米国勢も急ピッチで開発を進めている。

ただし、中国には圧倒的な製造業の実証フィールドがある。工場、物流、サービス業という「身体性AIを試せる現場」が無数に存在するアドバンテージは大きい。

ソース: China Daily, CGTN

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