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Apple、iPhoneデザイナーに最大4000万円のボーナス。理由は「OpenAIに引き抜かれるから」

AppleがiPhoneハードウェア設計チームに最大40万ドルの異例ボーナス。OpenAIに40人以上引き抜かれ危機感。

AutoMedia Desk
2026/03/27 11:01
4分
更新 2026/03/27 11:01
Apple、iPhoneデザイナーに最大4000万円のボーナス。理由は「OpenAIに引き抜かれるから」
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Appleが焦ってる。しかも、かなり。

iPhoneのハードウェア設計チームに、異例のリテンションボーナスが支給された。金額は20万〜40万ドル(約3000万〜6000万円)の株式報酬。4年間在籍し続けないと全額もらえない仕組み。

なんでこんなことしてるかっていうと、OpenAIにエンジニアをバンバン引き抜かれてるから。

OpenAIが40人以上のApple社員を採用済み

OpenAIは元Apple デザインチーフのジョニー・アイブと組んで、AI特化のハードウェアデバイスを開発中。そのために、Appleから40人以上のエンジニアを引き抜いている。

一番目立つのが、元Apple製品デザイン担当VPのタン・タン。2023年にAppleを離れて、今はOpenAIのチーフ・ハードウェア・オフィサー。彼が移ったあと、さらに「数十人」のAppleエンジニアがOpenAIに続いた。

iPhone Airのインダストリアルデザイナーだったアビドゥル・チョウドリーも退職。AIスタートアップ「Hawk AI」のデザインリードに就いた。

iPhone、iPad、Apple Watch、Vision Pro——どのチームからも人が流れてる。

4000万円でも足りない

ここが面白いところで、Appleが出してる40万ドルのボーナスって、4年間で割ると年10万ドル(約1500万円)。一方、OpenAIや他のAI企業が提示してる報酬は、年100万ドル(約1.5億円)規模のケースもあるらしい。

10倍の差。Appleのボーナスは「引き止め策」としてはかなり控えめ。

しかも2021年にも同じことやってる。そのとき18万ドルのボーナスを出したけど、結局人材流出は止まらなかった。同じ手が今回は効くのか、正直怪しい。

なんでAI企業は人を欲しがるの

OpenAIがハードウェアエンジニアを集めてるのは、ソフトウェアだけじゃ勝てないと分かってるから。

ChatGPTはアプリとしては成功してるけど、Appleみたいに「手に持てるモノ」を作る力がない。AI専用デバイスを作るには、iPhoneを設計してきた人たちの経験が要る。センサー配置、熱管理、バッテリー効率、アンテナ設計——これはソフトウェアエンジニアにはできない仕事。

逆に言えば、Appleが恐れてるのは「iPhoneの次」を他の会社に作られること。AIが中心の世界で、iPhoneのようなデバイスをOpenAIが先に出したら、Appleの立場が危うくなる。

シリコンバレーの人材バブル

AI企業の報酬がここまで膨らんでるのは、明らかにバブル。年1億円を個人に払い続けられるビジネスモデルはまだ確立されてない。

でも今のOpenAIには「投資マネー」がある。Appleには「利益」がある。利益で戦う会社が投資マネーで戦う会社に報酬で負ける——これが今のシリコンバレーの構図。

iPhoneを作ってきた人たちが、次にどんなデバイスを作るのか。それがAppleの中なのかOpenAIなのかで、5年後のテック業界の景色は変わる。

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