ソフトバンク、核9基分の電力を食うAIデータセンターを米国に建設へ。総投資9.7兆円の衝撃
ソフトバンクグループが米オハイオ州に最大10GW規模のAIデータセンターを建設。総投資額9.7兆円超、天然ガス発電所の発電量は核反応炉9基分に相当する。

ソフトバンクグループが、米オハイオ州に世界最大級のAIデータセンターを建設する計画を進めていることが明らかになった。 その規模は驚異的で、電力需要は最大10ギガワット(GW)。
必要な電力を供給するため、価格にして約4.6兆円(330億ドル)相当の天然ガス発電所を新設する予定だという。 この発電容量は、核反応炉9基分に相当する。
何が起きているのか
Tom's Hardwareが報じたところによると、ソフトバンクグループ傘下のSB Energyが、オハイオ州ピケトン(Piketon)の3,700エーカー(約1,500ヘクタール)の複合施設に超大型AIデータセンターを建設する計画を立案。この場所はかつて冷戦時代に兵器級ウランを製造し、のちに民間核燃料生産に使われた施設が2001年に閉鎖された跡地だ。
データセンター本体の建設費は300〜400億ドル(約4.4〜5.8兆円)と見込まれており、発電設備込みの総投資額は660億ドル(約9.7兆円)以上に膨らむ見通しだ。
第一段階では1年以内にガスタービンが稼働する予定で、当初はNvidiaの次世代GPU「Rubin」やAMD製チップを搭載した最新AIハードウェアを採用する計画とみられる。
なぜここまで巨大なのか
背景にあるのは、生成AIが爆発的に普及する中で電力需要が急増しているという現実だ。ChatGPTなどの大規模言語モデルを動かすには膨大な計算資源と電力が必要で、既存のデータセンターでは供給が追いつかなくなっている。
AI向けデータセンター投資は2026年に前年比80%増の約6,500億ドル規模に達するとの予測もある中、ソフトバンクは「AI時代のインフラ覇者」を目指して巨額投資に踏み切った形だ。
OpenAIのStargateとは別物
注目すべき点は、このプロジェクトがGoogleやMicrosoftも出資するOpenAIの「Stargateプロジェクト」とは別の動きだということだ。ソフトバンクのデータセンターは、孫正義氏が推進する日米間の5,500億ドル規模の投資プログラムの一環として位置づけられており、独自路線を歩んでいる。
日本への影響
ソフトバンクグループを率いる孫正義CEO(グループ会長)は、AIインフラへの超大型投資を戦略の核心に据えている。国内でも通信事業を超えた「AIカンパニー」への転換を加速しており、今回の米国での動きはその象徴的な一手と言える。
日本国内では、電力不足やデータセンター用地の制約が課題とされているが、米国の広大な土地と豊富なエネルギー資源を活用することで、ソフトバンクはグローバルなAIインフラ競争で主導権を握ろうとしている。
残酷な現実:エネルギーが次のボトルネックになる
AIブームは「チップ不足」から「電力不足」フェーズへ移行しつつある。核9基分の電力を一企業のデータセンターに充てるという計画は、AI産業が本当に「物理的な現実の壁」に直面しつつあることを示している。
地球温暖化や脱炭素の観点からも、天然ガス発電所4.6兆円相当の新設は物議を醸す可能性がある。AIが世界のエネルギー消費構造そのものを変えていく——そんな時代が、ソフトバンクの一手によって一層鮮明になった。
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