Metaが2件の裁判で数億ドルの賠償命令。SNSは欠陥商品として裁かれる時代に入った
米国の2つの陪審がMetaに数億ドルの賠償を命令。SNSを欠陥商品として裁く法理論が初めて陪審裁判で勝利し、テック企業の設計責任が問われる時代に入った。

今週、米国の2つの陪審がMetaに対し、合計で数億ドルの損害賠償を命じた。ニューメキシコ州では3億7500万ドル(約560億円)、ロサンゼルスではYouTubeとともに未成年者への加害責任を認定された。
ニューメキシコ州の裁判では、Metaが製品の安全性について消費者を欺いたと認定。州検事局がFacebook上に未成年を装うおとりアカウントを設置したところ、成人からのリクエストやメッセージが殺到した。陪審は37500件の違反すべてについて最高額の罰金(1件あたり5000ドル)を科した。
ロサンゼルスの裁判では、InstagramとYouTubeが中毒を促進する設計により10代のユーザーに害を与えたとする主張が認められた。Metaは控訴する方針。
この2件の判決は、SNSプラットフォームを欠陥商品として扱う法理論にとって画期的な勝利となった。従来、Section 230(通信品位法)と修正第1条がテック企業を守る盾として機能してきたが、陪審はその壁を越えた。
弁護士のキャリー・ゴールドバーグ氏は、カリフォルニア州の裁判は、SNSが個人の被害について陪審の判断を受けた初めてのケースだと述べた。新しい時代の幕開けだ。
ニューヨーク州とカリフォルニア州はすでに10代向けの中毒性のあるフィードを禁止する法律を制定。控訴審で判決が覆ったとしても、規制の流れは止まらない。
一方で懸念もある。SNS規制の強化がLGBTQ+の若者やASD(自閉スペクトラム症)の当事者など、オンラインコミュニティに依存する層に悪影響を与える可能性がある。コロラド大学法学部のブレイク・リード教授は、被害の認定は重要だが、その後に何が起きるかは不透明だと指摘する。
Metaは今月、Instagramのエンドツーエンド暗号化を廃止した。ニューメキシコ州の裁判で暗号化が子供の安全を脅かすと主張されたことが背景にある。プライバシー保護と児童保護のトレードオフが、今後の議論の焦点になる。
確実なのは、テック企業がSNSの設計責任を法廷で問われる時代が始まったということだ。数十件の同様の訴訟が控えており、大規模な和解に発展する可能性がある。
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