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Robinhood共同創業者が「宇宙でAIを動かす」会社を作り、評価額2000億円を突破。宇宙データセンターという狂気の賭け

Robinhood共同創業者のBaiju Bhattが設立した宇宙太陽光発電スタートアップ「Aetherflux」が、シリーズBで2億5000万〜3億5000万ドルの調達を交渉中。評価額は20億ドルに達する見込み。当初の「宇宙からレーザーで電力を地球に送る」構想から「宇宙でAIチップを動かすデータセンター衛星」へとピボット。2027年に初の宇宙データセンター衛星を打ち上げ予定。

AutoMedia Desk
2026/03/30 10:18
4分
更新 2026/03/30 10:18
Robinhood共同創業者が「宇宙でAIを動かす」会社を作り、評価額2000億円を突破。宇宙データセンターという狂気の賭け

Robinhood共同創業者が「宇宙でAIを動かす」会社を作り、評価額2000億円を突破した。これはSFではなく、Index Venturesが主導する実際の資金調達の話だ。

宇宙太陽光発電スタートアップ「Aetherflux」が、シリーズBラウンドで2億5000万〜3億5000万ドルの資金調達を交渉中であることをウォール・ストリート・ジャーナルが報じ、TechCrunchが確認した。評価額は20億ドル(約3000億円)。Index Venturesがラウンドをリードするとみられる。創業から約2年で、累計調達額は約8000万ドルに過ぎなかった企業が、一気に評価額を桁上げした形だ。

「宇宙からレーザーで電力を送る」から「宇宙でAIを動かす」へ

Aetherfluxを作ったのはRobinhoodの共同創業者であるBaiju Bhatt。「天体から電力を送る」という意味の社名通り、当初のビジョンは「宇宙に太陽光パネルを展開し、レーザーで地上に電力を送信する」というものだった。

だが、約1年前に重大な転換が起きた。AIデータセンターの電力需要が爆発する中、Bhattは気づいた——「電力を宇宙から地球に送るより、AIチップを宇宙に持っていけばいい」と。

「レーザー伝送の研究は続けるが、第一の目標は宇宙データセンターになった」とBhattはTechCrunchとのインタビューで語った。「我々のゴールは地上の経済合理性と競争できるものを作ること」。

当然ながら、それは「簡単ではない」——TechCrunchも冷静に指摘している。

なぜ「宇宙でAI」なのか

地上でのAIデータセンター建設には、土地・電力・冷却という3大課題がある。特に電力と冷却は深刻で、ソフトバンクが10GWのデータセンターのために「原子力発電所9基分」の発電設備を別途建設しようとしているほどだ。

宇宙なら話が違う。太陽光は24時間降り注ぎ(日陰のない軌道では)、放熱は真空中への輻射で処理できる可能性がある。SpaceX、Blue Origin、Starcloudなど複数の宇宙企業も「分散型宇宙コンピューティング」の独自アーキテクチャを開発しており、Aetherfluxはその先駆けを狙う。

初の宇宙データセンター衛星は2027年の打ち上げを予定。衛星バスはApex Spaceが製造する。

「宇宙スタートアップ」という投資バブルの新章

Aetherfluxの20億ドル評価額は、宇宙スタートアップへの投資熱が再燃していることを示す。AI需要を背景に、宇宙インフラへの資金流入が加速している。

ただ、宇宙ビジネスの現実は厳しい。低軌道衛星の運用コスト、地上との通信レイテンシ、打ち上げリスク——克服すべき課題は山積している。

それでも、「地球上の電力インフラが追いつかないなら宇宙に行く」という逆転の発想は、AIブームが生み出した2026年ならではの論理かもしれない。Bhattの「ピボットじゃない、元から宇宙に行くつもりだった」という言葉が、投資家には響いたのだろう。

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