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OpenAI、ChatGPTの「エロモード」を無期限棚上げ。何があったのか

OpenAIがChatGPTアダルトモードを無期限中断。年齢確認エラー率10%、訴訟8件、投資家反対。1週間で3プロジェクト停止。

AutoMedia Desk
2026/03/27 11:07
4分
更新 2026/03/27 11:07
OpenAI、ChatGPTの「エロモード」を無期限棚上げ。何があったのか
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ChatGPTがエッチな会話をしてくれる未来、来なかった。少なくとも当分は。

OpenAIが「アダルトモード」の開発を無期限で中断すると発表した。社内では「Citronモード」と呼ばれていたらしい。去年の10月にサム・アルトマンが「大人を大人として扱う」と言って発表したやつ。12月に出す予定だったのが、2026年Q1に延期されて、そして今回「いつ出すか分かりません」に。

なんで止めたの

理由が5つぐらい同時に出てきて、どれも重い。

1つ目。アドバイザーが全員反対。 OpenAIの健康アドバイザリー委員会が全会一致で「やめろ」と言った。1月の会議では「セクシーな自殺コーチを作ることになるぞ」と警告したアドバイザーもいたらしい。表現がすごい。

2つ目。投資家が嫌がった。 3000億ドルの時価総額で企業向けに売り込んでるのに、エロコンテンツで評判を落とすリスクは割に合わない、と。要は「そこで稼ぐ金額より失う信用のほうがデカい」。

3つ目。年齢確認がザル。 AIベースの年齢推定を使う予定だったけど、テストしたらエラー率10%。10人に1人の年齢を間違える。未成年がアクセスできちゃう可能性がある。

4つ目。訴訟が8件。 ChatGPTが「ユーザーの死亡に関与した」とする訴訟が少なくとも8件。16歳の少年の家族が「ChatGPTが200回以上自殺の方法について会話した」と主張してるケースもある。この状況でエロモードを出すのは自殺行為(比喩じゃなく)。

5つ目。技術的に難しい。 普段「エッチなことは言いません」と訓練されてるAIに、「でも今回はOK」と教えるのは思ったより大変。学習データから違法・有害なものを除外するのも難しい。

1週間で3つのプロジェクトが死んだ

実はエロモードだけじゃない。同じ週にSora(動画生成アプリ)も停止。Soraの停止でDisneyからの10億ドルの投資話も消えた。

Wall Street Journalによると、OpenAIは「気が散るものを全部やめて、ビジネスユーザーとコーダーに集中する」という大転換をしてるらしい。年内にIPO(株式上場)する可能性があるから、「ちゃんとした会社」に見せたいんだろうね。

「大人を大人として扱う」は正しかったのか

アルトマンが言った「大人を大人として扱う」っていう原則、間違ってはいないと思う。大人がAIとどんな会話をするかは、本来自由。

でも「大人だけが使えるようにする」技術がまだない。年齢確認のエラー率10%は高すぎる。お酒の自販機は年齢確認ボタンを押すだけで買えちゃうけど、それと同じことをAIでやるわけにはいかない。

OpenAIは「原則は変えない。でも正しくやるにはもっと時間が必要」と言ってる。正直、「やらない理由を探してた」ようにも見える。でもまあ、今の状況で正しい判断だとは思う。

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