AutoMedia/ニュース
ニュースに戻る
ニュースニュース

NVIDIAのJensen Huang、「AGIはもう達成された」と宣言。ただし直後に「NVIDIAレベルの企業をAIが作れるかは別」と後退

AutoMedia Desk
2026/03/28 18:05
4分
更新 2026/03/28 18:05
NVIDIAのJensen Huang、「AGIはもう達成された」と宣言。ただし直後に「NVIDIAレベルの企業をAIが作れるかは別」と後退

NVIDIAのCEO、Jensen Huangが3月23日に公開されたLex Fridmanのポッドキャストで「AGI(汎用人工知能)はもう達成されたと思う」と発言した。

AGIとは、人間と同等かそれ以上の知能を持つAIシステムを指す概念だ。業界では長年「あと何年かかるのか」が議論されてきたが、Huangはその問いを一言で片付けた。

Fridmanが「複雑な現実世界のタスク、たとえば10億ドル規模の企業を構築・運営できるシステム」をAGIの基準として提示し、その到達までの期間を尋ねた。Huangの回答は「今だと思う。AGIは達成された」。

ただし、Huangが提示したAGIの定義は従来のものとは異なる。彼が言う「達成」とは、人間のように思考する機械ができたという意味ではない。AIエージェントが実際に高価値なビジネスタスクを遂行し、経済的成果を生み出せるようになった——それが彼の基準だ。

Huangは根拠としてAIエージェントの急速な普及を挙げた。個人がAIエージェントを様々なタスクに活用し始めており、デジタルインフルエンサーや新しいソーシャルツールといった予想外の消費者向けアプリケーションが急速にスケールする可能性があるとした。

しかし、宣言の直後にHuang自身がトーンを下げた。AIツールの中には初期には注目を集めるが時間とともに勢いを失うものも多いと認め、「AIエージェントが独力でNVIDIA規模の企業を作る可能性は極めて低い」と述べた。

つまりHuangの立場はこうだ。経済的価値を生む能力という基準では「AGI達成」だが、人間のように汎用的に思考する能力という基準では、まだ先がある。

業界の反応は分かれている。実務家からは「AGIの定義を経済的成果に紐づけたのは合理的」との評価がある一方、研究者からは「専門タスクの遂行を汎用知能と呼ぶのは飛躍しすぎ」との批判が出ている。

NVIDIAにとって、この発言はポジショントークでもある。「AGIは来た」と宣言すれば、そのインフラを売るNVIDIAの株価と事業計画にとって都合がいい。時価総額3兆ドルを超えるチップメーカーのCEOが「AGI達成」と言うとき、それは技術的評価であると同時にビジネスメッセージでもある。

サイバーセキュリティ株が週末にかけて3〜7%下落した(CrowdStrikeは7%、Palo Alto Networksは6%)のも、AI能力の急速な進歩に対する市場の不安を反映している。Anthropicの未発表モデル「Mythos」がリークされ、サイバー攻撃能力で既存モデルを大幅に上回るとの情報が出たことも重なった。

AGIの定義を巡る論争は続く。だが、NVIDIAの事業にとって重要なのは定義ではなく、AIコンピューティングへの需要が加速し続けるかどうかだ。Huangの答えは明白——「もう始まっている」。

この記事が役に立ったら共有してください

Premiumプレミアム限定
関連記事