GitLab創業者、がんを「ファウンダーモード」で治す。標準治療を使い切った後、自分で治療法を作り始めた
GitLab創業者のSid Sijbrandijが骨肉腫と診断され、標準治療を使い切った後、起業家のやり方でがん治療に挑戦。徹底的な情報管理、最大限の検査、自作の治療法で寛解を達成した。

GitLabの創業者Sid Sijbrandijが、自分のがんと「起業家のやり方」で戦っている。しかも、勝ちつつある。
「標準治療は終わりです。頑張ってください」
2022年11月、Sidは脊椎の骨肉腫と診断された。手術で腫瘍のある椎骨を除去し、チタンフレームで脊椎を固定。放射線治療と化学療法は壮絶で、4回の輸血が必要だった。
それでも2024年にがんが再発。医師からは「標準治療はもうない。臨床試験があればいいね」と言われた。
Sidはそれを受け入れなかった。
GitLabを作った方法で、がん治療を作る
Sidがやったことは、GitLabの運営と同じだ。
まず徹底的な情報管理。医師との全面談、研究者との全ミーティングを1,000ページ超のGoogle Docに記録。2025年分だけで1,000ページだ。
次に最大限の検査。ゲノム解析、ラボテスト、スキャン——使える検査は全部やり、データを25TBのGoogle Cloudバケットに公開。そう、全部公開だ。GitLabの「ラディカル透明性」をがん治療にも適用している。
そして自分で治療法を作る。既存薬の転用から、研究者と共同で開発したSid専用のパーソナライズド治療まで、「治療のはしご」を自分で設計した。
結果:寛解
現在、Sidのがんは寛解している。エネルギーが余っているのか、新しいソフトウェア企業「Kilo Code」を創業し、VCファンド、慈善財団も運営しながら妻と世界中を旅している。
誰もができることじゃない。でも——
「億万長者だからできた」という批判は当然ある。だがSidの事例は、がん治療の未来を示している。
パーソナライズド治療のコストは1人あたり約100万ドル。一方、従来の新薬承認には10億ドルかかる。この差は年々広がっている。治療を「作る」方がどんどん安くなっているのに、承認プロセスは高くなる一方だ。
Sidは自分の全データを公開している。他の患者がこのアプローチを使えるよう、evenone.venturesという組織も立ち上げた。
一人の起業家の生存戦略が、がん治療の仕組みそのものに疑問を投げかけている。
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