BlueskyがAIアプリ「Attie」を発表——自分専用アルゴリズムを、コードなしで作れる時代へ
BlueskyのチームがAIアシスタント「Attie」を発表。自然言語でカスタムフィードを作成でき、将来はコードなしでアプリ開発も可能に。Claudeを搭載し、SNSの在り方を根本から変えるかもしれない。

「アルゴリズムは企業のもの」——そんな常識が、今日終わった。
Blueskyのチームが、新しいAIアシスタントアプリ「Attie」を発表した。「自分専用のフィードを、自分で作る」という体験を、コードを一行も書かずに実現する。X(旧Twitter)やInstagramが完全にコントロールしてきたタイムラインを、ユーザー自身の手に取り戻す試みだ。
Attieとは何か?
Attieは、Blueskyの創業チーム(前CEOのJay GraberとCTOのPaul Frazee)が開発したスタンドアロンのAIアプリ。Anthropicの「Claude」を搭載し、Blueskyの基盤プロトコルである「AT Protocol(atproto)」の上に構築されている。
使い方はシンプルだ。チャット感覚でAIに話しかけるだけ。
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そう入力すれば、AIがあなた専用のカスタムフィードを作ってくれる。今まで専門知識が必要だったフィードのカスタマイズが、自然言語で完結する。
「AIはプラットフォームではなく、ユーザーに奉仕すべき」
発表会見でGraberが強調したのは、AIの使われ方への問題提起だ。
現状のX、Instagram、TikTokは、AIをユーザーの「滞在時間を増やす」ために使っている。アルゴリズムはデータを収集し、依存性を高め、広告収益を最大化するために最適化される。
Attieはその逆を行く。「AI should serve people, not platforms(AIは人々に奉仕するべきで、プラットフォームのためではない)」——これがコンセプトの核心だ。
AT Protocolはオープンなデータ層であり、アプリをまたいでデータが共有される。Attieにサインインすると、あなたがBlueskyで何を話し、何を好んでいるかをAIが即座に把握し、よりパーソナルなフィードを提案してくれる。
将来はノーコードでアプリ開発も
Attieが目指す次のステップは、カスタムフィード作成にとどまらない。
Graberが語ったビジョンはこうだ——「誰でも、コードを書かずに、atprotoの上にアプリを作れる」。AIエージェントが自然言語の指示だけで、SNSアプリを丸ごとvibe-coding(感覚的にコーディング)してくれる時代が来るというのだ。
これはWeb3的な「誰でも参加できるオープンなプラットフォーム」の夢を、AIによって現実に近づける試みだ。
Blueskyは今、最も面白いSNSかもしれない
背景も押さえておきたい。Blueskyは2026年3月に1億ドル(約150億円)のシリーズB調達を発表し、3年以上のランウェイを確保した。ユーザー数は4,340万人を突破し、Xからの移住組を着実に取り込んでいる。
仮想通貨統合は「ない」とCEOのSchneiderは明言。分散型ソーシャルの可能性を信じる投資家たちが支えているが、クリプトカジノ化する心配はなさそうだ。
日本への影響
日本でも「X疲れ」「アルゴリズム不信」を感じているユーザーは多い。おすすめタイムラインに流れてくる広告やレコメンドにうんざりしている人にとって、「自分でアルゴリズムを作れるSNS」というコンセプトは刺さるはずだ。
現在AttieはクローズドベータだがMarch 2026時点で、attie.aiから順番待ちリストに登録できる。AT Protocolに対応したアプリ(Bluesky含む)のユーザーであれば、将来的に利用できるようになる見込み。
SNSの「次の形」を見たいなら、Attieは見逃せない。
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